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Batik新作「ペンダントイブ」by黒田育世

大好き黒田育世さんのひさびさ新作公演。
グループのbatikとして。

すっごい、ほんとにひさびさの新作。前回みたのが、じつに2年半前のことでした。

結構、こゆーい、ジェンダー入ってるダンサーさん。
でも、ソロの「モニカモニカ」から、はっちゃけモード全開で、
社会の掟とか、記号論とか、ダンスメソッドとか理屈とか、
もうどうでもいいじゃん!的に、つきぬけてしまった、その後の展開。
それは、トークゲストの矢内原美邦さんが奇しくも言ってた「誕生」みたいなイメージ。
そして、子供にかえる、原初のムーブと全身全霊の大声発声。
はしるはしる。さけぶさけぶ。

正直、「shoku」や「sideB」のオンナ丸出しの衝撃的体験をすると、育世さんの舞台には、怖いモノ見たさ半分で足を運ばざるをえない。
お腹のそこから叫び、痙攣し、だだをこねて、ころがりまくる女子8人の壮絶ぶりは、やっぱり、相当ショッキング。
前作と違うのは、自傷ぎみに、体をいためつけるような動きから、体を解放するように、もがき、発散するような動作が増えたこと。
構築性の真逆をいく、破綻と混乱と未分化な状態をそのままさらけだしてる感じ。
途中、もうその狂乱カオスぶりを、見ていられなくて、どうしていいかわかんなくなる頃に、突如、真っ白の世界に変換し、群舞へと移行する、絶妙の構成力。
ドレスを脱いだと思ったら、カラフルな下着姿で、服を裏返して、真っ白になるという、小道具のギミックも、やっぱり、しっかり、ツボをおさえてる。
女性、少女、子供、赤ちゃん、お母さん、家族・・・いろんな役割をゆききする、たくさんの顔をもつダンサーたち。
ひとりの赤ちゃんが、みんなの間をたらい回しにされながら、それでも大事に大事にされ、それぞれにとっての核みたいな役割を果たしているのが、印象的。

ヒステリックかと思いきや、天真爛漫に破顔一笑、笑い狂う女子たちの素。
最後、天井から舞いふる緑の紙吹雪が美しくて、
いったい何に感動したのか、まったくわけわからないながらも、やっぱり、涙がふきだしてきた。

「ダンスをどんどん楽しめるようになってきた。
自分の直感を信じてやっています。今は、これしかつくれない。」(by黒田育世)。
ここまで、自分の本能に正直に、インスピレーションをそのまま形にできたら、なにも、怖いモノなんてないかもね。
これぞ究極のオンナ力?
自分、結構、てか、かなり理屈っぽいだけに、黒田さん見るたびに、カタルシスで、浄化されてます。深い、パワーをもらってる。
賛否両論ありまくりでしょうけど、
もう、いつも、感謝するしかないデスヨ!

たぶん、当日券もあると思いますー
by shu_tonsu | 2007-03-30 00:12 | dance


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