下からの続き。
結局、観光トゥクトゥクのコースというのは、
観光客にお金を落とさせ、仲介料でがっつり稼ぐ、
土産物屋めぐりだったのでした。
ドライバーと店は契約関係にあるのでしょう。
一度ツアーが始まったら、途中棄権はありえません。
とにかく、とことんお店をめぐるめぐる。
タイシルクのオーダー・ドレスメイカーのほかにも、
ルビーをはじめ豪奢な宝石がまばゆいジュエリー・ショップなどなど。
「もう、ここまででいいから!」
という訴えは、あっさり聞かないふりをされてしまいます。
最初は、シルクや宝石の美しさを拝むだけで楽しかったショップめぐりも、
複数件におよぶうちにさすがに飽きてきます。
当然、見るだけでは許されない無言のプレッシャーも強く感じられ始めます。
困ったことになったな・・」、見事にハメられたこの状況に苦笑しつつも、
やはりトゥクトゥクに乗って意気揚々と楽しそうに買い物する別の観光客の姿を見ると、
購入意志が弱い私を案内しても時間の無駄なんじゃないのかなー、とか、他人事のように思う自分もそこにいます。
むしろ、最初に格安料金を提示されているため、
一時間以上におよぶトゥクトゥクの超過料金のほうが気になってしかたありません。
とことんセコイ自分・・。
事態に気づかなかった前半は、この値段でここまで時間かけて回ってもらうのはドライバーに悪い!とか思ってたのですから、お笑いです。
と、トゥクトゥクは、やおら通り道にある小さな祠に立ち寄り、
唐突にお祈りの時間に突入しました。
??
まあ、ここまできたら、なんでもいっか。一服ってことで〜。
寺院では、身綺麗にした英語の話せるタイ人女性に出くわし、お祈りの方法を詳しく教えてもらうついでに、地図を広げて、バンコクのおすすめスポットなどもいろいろと伺います。やたら親切な方で、タイの名産についてもあれこれ。美しい宝飾品を身につけた彼女は、タイのルビーは有名で、加工技術もすぐれている。値段も安いからお買い得。タイ人はお金よりも価値の落ちない金を大事にするんだ等々、さいごにはおすすめの宝飾店さえも教えてくれます。あれ、それってさっき行った店じゃん。じゃあ、あそこはいい店だったのかな??
ともあれ、たくさん教えてくれてありがとう!
彼女と手を振りわかれると、ふたたび残りのショップめぐりが開始。
そして、じつに全二時間弱が経過し、ようやく解放されることになったとき、
やはりというべきか、エクストラ・フィーを請求するドライバー。
まあ、街めぐりを満喫できたし、綺麗なもの見れたし、いっかー。
買い物をしなかったから、彼のマージンはゼロなわけですし・・・。
そんなこんなで、予定外のおかしなツアーを体験したその日の晩、
会うなり友だちは、なにかトラブルがなかったかと、心配そう。
なんでも、ワット・ポーの裏手には、観光客をカモにする白トゥクがいっぱいいて、
彼らは裏門が閉まってるのをいいことに、午後までは開かないからと、巧妙に客引きするんだという。
・・・。
て、それじゃん、私が乗ったの!
バス停でトゥクトゥクに誘導した兄ちゃんはともかくとして、
じゃあ、行く先々の寺院で出会った、やたらと親切な人々もみんなグル?
そりゃあさ、みんな最後には、シルクや宝石をさりげなくご推薦してはいたけど、
商品を買わせるのに、そこまで手の込んだ演出(プロモーション)をわざわざするもの?
いや、するのでしょう。
タイ・シルク屋さんはもともと問屋で、年に七日しか路面店を開かず、今日がその最終日だ!って、あまりにもタイミングよすぎです。
タイ人女性が推薦していた服屋をトゥクトゥクがさっくり通り過ぎ、ちょっと先の別の店に入っちゃったりと、若干打ち合わせの不備が見られるものの、すべては腑に落ちることばかりです。
いや、もうアッパレというほかありません。ナイス・コラボ・ビジネス!
親切なタイ人みんなが結託してたとは、ゆめゆめ思いませんでした。
しかもそれも、友だちから話を聞き、あとになってようやく全貌がクリアになったという次第なのですから。
バカでアホな日本人とは、私です・・。
あんだけみんなが大芝居をうったのに、ちっとも買い物に精を出さない私に、さぞみなさんやきもきされたことでしょう。
そもそも、いかにもお金なさげな私が、なぜそのようなツアーにまぎれてしまったのかが謎ではあります。
「知り合いを訪ねる海外旅行は、気がゆるんで騙されやすい」、それは、忘れてはならない、旅の教訓です。
けれど、本当のところどうだったのか、本当にみんなが騙していたのかは、神のみぞ知る、です。
だから、旅の気分は「ま、いっかー(=タイ語でマイペンライ!)」。
騙されたのに、なぜか得した気分で楽しくなる、そんな忘れがたいタイの一日目でありました。